皆さん、健康診断で胸部のレントゲンや胃バリウム検査をしていると思います。その時に『被ばくってどれだけしてるんだろう?放射線浴びすぎてないかな?』そんな疑問を持ったことないでしょうか。
結論、身体に全くと言っていいほど影響がないくらいの被ばく線量ですので安心して下さい!今回、その根拠をお話ししつつ我々放射線技師が検査をする際に気を付けていることなど紹介していきたいと思います。
3つの検査の被ばく線量を比較
まず、皆さんが1度は経験したことのある
胸部のレントゲンは約0.03mSv
胃のバリウム検査は約0.6mSv
ドーナツ型のCT装置
この検査は約6mSv
全ての検査で、撮影する場所や回数によって多少前後することがあります。ですが、だいたいこのくらいの値なんだなと覚えてもらって大丈夫です。
ちなみに、脱毛や紅斑(皮膚にできる赤い斑点)など身体に影響がでる可能性があると言われている線量は100mSvです。100mSvを1度に被ばくすることがなければ身体に影響がでることはないと国際放射線防護委員会(ICRP)でも報告されています。
放射線技師が心掛けていること
100mSv以下であれば大丈夫!とは言っても、なるべく被ばくしないほうがいいですよね?もちろん、そう思っているのは皆さんだけでなく、放射線技師も強く思っています。そこで、放射線技師はどんなことに気を付けて検査をしているのか紹介していきたいと思います。
必要最低限の線量で撮影する
放射線技師になると、患者さんへの被ばく線量はできる限り少なくすること!そうした教えを上司から叩き込まれます。
どうやって被ばく線量は決められているの?
患者さんの体格に合わせて最適な線量に設定して撮影しているよ!
撮影部位によってある程度は線量は決められています。その中で、100kgを超える体格のいい患者さんもいれば、10kg程度の小さいお子さんもいます。線量が多すぎても無駄な被ばくになりますし、線量が少なすぎても画像評価ができないので、再撮影をすることとなりどちらも無駄な被ばくを与えてしまいます。
最適な角度や体勢で撮影する
また、レントゲンの検査では、ポジショニングが大切です。
例えば、胸部のレントゲンでは手の甲を内側、手のひらを外側に向け撮影の台を抱え込むようにして胸を付けてもらいます。この状態で肩の力を抜いてもらい肩をしっかりと前に出すように指示をします。
これは、なるべく肩甲骨を身体の外側に移動させて、観察したい肺野に被らせないようにするためのポジショニングです。しっかりと肩甲骨が移動できていないと肺野と重なってしまい、その重なった部分に病変があった場合見落としてしまう可能性が高くなってしまいます。ですので、ポジショニングが悪いと再撮影となり、また被ばくが増えてしまことになります。
つまり、技師の撮影技術や経験が患者の被ばく低減に関係していることを深く理解をする。理解をしたうえで、常に自己研鑽に励み、責任感をもって業務すること!この意識、心がけを大切にしています。
今回は、各検査の線量比較、技師の心掛けていることこの2つを紹介しました。少しでも参考になれば幸いです。以上、ラジかなでした!